安全に楽しむ
温泉の適応症と禁忌症
温泉施設には、温泉の成分・禁忌症・入浴上の注意を掲示する義務があり、その内容には国の基準があります。適応症は効能を保証するものではありません。
温泉療養の考え方
基準は、温泉療養の効用は成分だけでなく温熱や温泉地の環境、生活リズムの変化などの総合的な作用によるものとし、特定の病気を治すよりも症状や苦痛を和らげ、健康の回復・増進を図ることを目的とするとしています。
十分な効用を得るには通常2〜3週間の療養期間が適当とされ、適応症でも病期や状態によっては悪化する場合があるため、専門的知識を持つ医師の指導のもとで行うことが望ましいとされています。
一般的適応症(浴用)
療養泉に共通して掲示できる適応症: 筋肉や関節の慢性的な痛み・こわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症
泉質ごとの浴用・飲用の適応症は、各泉質の記事で紹介しています。
一般的禁忌症(浴用)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期。
禁忌症は1回の入浴や飲用でも有害な事象が起きるおそれがある病気・状態です。平成26年の改訂で、以前の基準にあった「妊娠中(特に初期と末期)」は削除されました。
泉質別禁忌症(浴用)
酸性泉・硫黄泉: 皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症。
飲用の禁忌症は、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・よう化物イオンの含有量から、施設ごとに1日の飲用量の限度と対象の病気(塩分制限の必要な病態、甲状腺機能亢進症など)を計算して掲示します。
大切なこと
ここに挙げるのは、温泉施設が掲示する適応症の国の基準(療養泉として掲示できる内容)です。個々の温泉の効能を保証するものではなく、温泉療養は症状の軽減や健康の回復・増進を目的にするもので、病気を治すことを約束するものではありません。持病のある人は医師に相談してください。
出典
この記事は公的資料をもとに温泉街図鑑が独自にまとめたものです。医療上の判断は医師に相談してください。